小学3年生の息子が、リフティング100回を達成しました。
たった100回。
サッカーをやっている人なら、「100回くらい」と思うかもしれません。
でも、当時の息子にとっては、とんでもなく高い壁でした。
3回、4回。
何度やっても、そこから増えない。
それが、あることをきっかけに20回まで伸び、そこからまた伸び悩み、さらに一度は5回くらいまで戻ってしまう。
そして、そこから2カ月。
100回を達成しました。
なぜ、急にできるようになったのか。
今でも、全部を説明できるわけではありません。
だからこそ、このときのことを残しておこうと思います。
昔のリフティングと、今のリフティング
息子がリフティング100回を目指すことになったのは、小学3年生のときでした。
それまで地域の少年団でサッカーをしていましたが、レギュラーというわけではありません。
どちらかというと、ちょっとくすぶっていました。
そんな息子が、週3回のサッカー教室に通うことになりました。
そこで出されたのが、
「リフティング100回」
という課題です。
当時の息子は、3回か4回。
100回なんて、かなり遠い。
私自身、リフティング100回ができるようになったのは中学1年生のころでした。
だから、
「小学3年生で100回って、できるのかな?」
というのが正直なところでした。
ただ、やってみることにしました。
ところが、そこで最初の壁がありました。
僕が子どものころにやっていたリフティングと、今の子どもたちが教わっているリフティングが、ちょっと違ったんです。
僕らがサッカーをやっていた1990年代前半。
リフティングといえば、足首に近いインステップで、ボールをポーン、ポーンと上に蹴り上げる。
利き足だけで、とにかく回数を増やす。
そんなやり方が普通でした。
ところが、息子が教わってきたのは違いました。
つま先に近いインステップ。
親指の付け根の少し下あたりで、ボールを下から「チョン、チョン」と跳ね上げるように蹴ります。
「こんなやり方なの?」
と思いました。
そして、僕もやってみました。
……できない。
2回か3回くらい。
息子も同じくらい。
親子そろって、全然できません。
公園で2時間、「チョン、チョン」
休みの日。
近所の公園に行きました。
2人でリフティングの練習です。
「チョン、チョン」
落ちる。
拾う。
また、
「チョン、チョン」
落ちる。
また拾う。
それを繰り返しました。
2時間くらいやったと思います。
僕は大人なので、
「こうしたらいいんじゃないか」
「足の角度を変えたらどうだろう」
と、いろいろ試します。
ところが息子は、あまりやり方を変えません。
黙々と続けています。
その日の最高記録は、5回か6回。
2時間やって、それだけ。
「これ、本当に100回までいくのかな」
そんな気持ちにもなりました。
突然の「20回」
翌日も公園へ行きました。
その次の日も。
「今日は10回くらいいけるかも」
そう思っても、いかない。
息子はだんだん、ふてくされてきました。
地面に座り込む時間も増えてきます。
僕も、何をアドバイスすればいいのか分からない。
一緒に練習しているのに、親子そろって悶々としていました。
ところが、その翌日。
学校から帰ってきた息子が、庭で練習を始めました。
すると、
いきなり20回。
「え?」
僕も驚きました。
昨日まで5回くらいだったのに。
なぜ?
理由は分かりません。
でも、とにかく20回できた。
家族みんなで喜びました。
20回できるようになると、ちょっと雰囲気が変わります。
「おぉ、サッカーやってる子に見える!」
なんて、みんなで笑いました。
ところが、ここからがまた長かった。
20回はできる。
でも、30回にはなかなか届かない。
3日くらい、20回前後を行ったり来たりしました。
20回。
19回。
22回。
18回。
「なんで、ここから増えないんだろう」
また分からなくなりました。
「目」の高さに壁があった?
僕も一緒に練習していたので、息子との違いをじっと見るようになりました。
すると、一つ気づいたことがあります。
僕は、ボールを少し上から覗き込むような姿勢で蹴ると、かなり安定する。
上半身を少し前に出す感じです。
ところが、小学3年生の息子には、その姿勢が取りにくい。
単純に、身長が違うからです。
大人の僕にはできる。
でも、子どもには難しい。
「もしかして、これが壁なのか?」
そんなことを考えました。
もちろん、本当にそれが原因だったのかは分かりません。
でも、一緒に練習していると、そういう違いが見えてきます。
そして、突然5回に戻った
そんなある日の夕方でした。
だんだん暗くなってきたころです。
家の中にいると、
「ドーン!」
という大きな音がしました。
何事かと思って外に出ると、息子が庭で壁に向かってボールを思いっきり蹴っています。
涙を流していました。
「どうした?」
聞くと、
「全然できなくなった……」
「へたくそになっちゃった」
「5回ぐらいしかできない」
そう言いました。
悔しくて、壁にボールを蹴りつけていたんです。
それを見て、僕も少し驚きました。
リフティングって、練習すれば少しずつ増えていくものだと思っていました。
5回ができるようになって、
10回になって、
20回になって、
30回になって……。
そんなふうに、階段を一段ずつ上がっていくものだと。
でも、実際は違いました。
20回できていたのに、5回まで戻る。
「なんで?」
僕にも分かりません。
本人も分からない。
ただ、できなくなった。
それが悔しい。
泣きながらボールを蹴っている息子を見ながら、
「これは、どういうことなんだろう?」
と思いました。
そして、このあと息子のリフティングは、また大きく変わっていきます。
ただ、そのきっかけは、僕が思っていたような「もっと練習すること」ではありませんでした。
このときは、まだ知りませんでした。
子どもが何かを身につけていくとき、外から見える「回数」だけでは、実際に起きていることは分からない。
そんなことを、この2カ月で少しずつ考えるようになりました。
次回は、その続きを書きます。
そして、なぜ息子のリフティングが急に伸びたのか。
僕なりに「もしかしたら、これだったのでは」と思っていることがあります。

ちなみに、使っていたボール
このとき息子が使っていたのは、モルテンの「ペレーダ」でした。
特別なボールを使ったわけではありません。
結局、毎日触っているボールが一番、足になじんでいたんだと思います。
こういうところも、実際に親子でやってみると分かることでした。


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