はじめに。


テレビの制作現場で、長く働いています。
ドキュメンタリーという、台本のない世界が僕の居場所です。
これまで、何千時間もカメラを回し、
人の心の揺れや、言葉にならない本音を追いかけてきました。

ときどき、ありがたい評価をいただくこともありました。
放送文化にまつわる賞をいただいたり、
現場の仲間と喜びを分かち合ったり。
でも、それらはすべて「目の前の誰か」と向き合ってきた、
ただの積み重ねの結果だと思っています。


もうひとつの仕事は、アナウンサーの面接官です。
夢を抱いた若者たちと、真っ直ぐに向き合う場所。
そこで僕が見ているのは、原稿のうまさじゃありません。
その人の「地頭」や「誠実さ」、
そして「この人と一緒に、いい番組を作りたいか」という、
とてもシンプルで、ごまかしのきかない本質です。


けれど、週末の僕は、ただの「少年団パパ」です。
小学3年生の息子のスパイクを洗い、
土埃の舞う河川敷で、息子の「ドリブル」や「リフティング」といった壁に、
自分の無力さを突きつけられています。
そこでは、仕事のキャリアなんて、一ミリも役に立たない(笑)。


テレビの現場で、あるいは面接の会場で。
僕がずっと探し続けてきた「選ばれる人の輝き」や「成長の瞬間」。
それは、実はこの泥だらけのグラウンドにこそ、
その「種」が埋まっているんじゃないか。

そう気づいたとき、
この河川敷の、ままならない日々を、
一人の親として、静かに記録しておきたくなりました。


ここは、正解を教える場所ではありません。
少年団という名の、ややこしくて愛おしいドキュメンタリーを、
皆さんと一緒に、ちょっとだけ面白がっていくための場所です。

どうぞ、ゆっくりしていってください。

【これまでの歩み】
・現役テレビディレクター(ドキュメンタリー番組制作)
・アナウンサー採用選考 面接官
・ギャラクシー賞 テレビ部門大賞 受賞
・日本民間放送連盟賞 優秀賞 受賞

タイトルとURLをコピーしました